仕事が終わり会社を出るとき、いつもヨメの携帯を鳴らす。
家に着くとちょうど晩御飯が出来ているように。
昨晩も帰りにヨメに電話をしようと思い携帯を取り出すと、メールを着信していた。
母の携帯からヨメが書いたようで、
「携帯が壊れました、帰るときは家の電話を鳴らしてください」といったような内容だった。
家に帰り、一息ついてから聞いてみると、急に電源が入らなくなったらしい。
ショップに電話していろいろ試したが原因はわからず、持ち込み修理といわれたそうだ。
ふーんといいながら、なんとはなしにヨメの携帯の電源ボタンを押したら、
液晶が白く光り、初期画面が表示された。
「あっ、電源ってそっちだったっけ?」ヨメはずっと通話ボタンを押していたそうだ。
「……直ってよかったね」