早期退職を夢見て

Dreaming of early retirement

特定疾患治療研究事業

親父が保険証にそっくりな紙を見せて言った。
「これ持ってるとなんぼ入院しても月4250円しか、かかんないんだわ」
当初、肝臓癌と診断された親父だが、精密検査の結果、ちょっと病名が違うようで、難治性肝炎という難病らしい。
病院の先生に教えてもらったところによると、自治体で-特定疾患治療研究制度-というのがあるらしく、希少で、原因不明、治療方法が未確立でありかつ、生活面での長期にわたる支障がある52疾患を対象として医療費の軽減を図る制度があったのだ。
親父の病気がそれに当てはまり、援助を受けられることになったのだが、その言葉を聞いたとき、おれが言ったのは「それは良かったね」。

確かにこれからの治療費について考えなかったわけではない。でも、良かったねはないよな。親父も「あー、良かったよ」って、親父なりに家計の心配してたんだろうけど、、

そんなことを微塵も心配させないで、最高の治療を受けさせるだけの、お金が欲しい。
今まで好き勝手に生きてきた報いなのだろうけど、この現実のなかで最善を尽くすしかない。

そんなこんなで6月もおしまい。
今年も半分が終わり、結局文學界新人賞に出す作品も間に合わなかった、、
仕事も中途半端
もうすぐ38、、
何やってるんだろう、おれ。