やっと終った。
オヤジが死んだのが、先週の月曜日だから、今日でちょうど1週間だ。
12月の初めまでは、まだまだ元気だった。
クリスマスや正月に家に戻ってくるのを楽しみにしていたのにさ。
イブには、オヤジに買ってあげると約束していたケーキ屋でクリスマスケーキを買おうと思う。
生まれて初めて、人の死に目ってヤツにあった。
あんなに、簡単に死ぬとは思わなかった。
最後まで、人に迷惑をかけなかった。オヤジらしい。
少し、ホッとした部分もある。
1年半前に病気のことが判り、同居を始めたときから、
「いつまで続くのだろう? どのくらいお金がかかるのだろう?」という心配が頭から離れなかった。
ヨメも初めての同居に戸惑っていた。
覚悟していたより、短かった。
もちろん、母さんとはこれからも一緒だが、元気なのでずいぶんと気は楽だ。
オヤジが死んでから、家に遺体を運んでもらい、それから通夜、告別式、出棺。
長男なので、一応全てを仕切らなければならない。
「悲しんでいる暇なんて、ないよ」と、人が言う通り、
花が届くたびに順番を入れ替えて並べてもらったり、弁当が多いだの少ないだの、
布団が足りないだの、追加の酒を買いに行ったり……
雑用をこなしている間に、あっという間に終ってしまった。
葬式が終ってからも、お墓を決めに行ったり、生命保険、銀行預金等の手続きがあったりして
全く落ち着かない。
昨日の晩、初七日ということで、家族が集まり、酒を飲んで、とりあえず終了。
今日から仕事だ。
もういないって実感がいまだに湧かないんだよなぁ。
だから、涙も出ない。